【R129対応】身長100㎝から使えるジュニアート選び(詳細版)

2023年 10月29日 | 3歳半頃から使えるチャイルドシート, ブログ, 購入ご検討中の方向け情報

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今回はジュニアシート選びについて解説します。

乳幼児のチャイルドシートよりも簡単そうに思われるかもしれませんが、実は奥が深いです。

ジュニアシートには大切な役割があり、各機種それぞれの機能やポイントも異なっています。

 

*ジュニアシートの役割?

*ジュニアシートってどうやって選べばいいの?

*比較しやすいように機種別に解説してほしい

 

といった声にお答えします。

これからジュニアート購入を検討される方は参考にしてください。

 

 

 

R129対応 身長100㎝から使えるジュニアート選び(詳細版)

 

R129対応 身長100㎝から使えるジュニアート選び(詳細版)

 

ジュニアシートの役割とは

 

乳幼児に使うシートより、お手軽な感じがするジュニアシート。

4歳頃まで使うチャイルドシートのようなベルト(ハーネス)ではなく、

 

4歳頃まで使うチャイルドシートのようなベルト(ハーネス)

 

大人と同じように、自動車のシートベルトで身体を直接拘束します。

 

大人と同じように、自動車のシートベルトで身体を直接拘束

 

事故衝突時の「身体をしっかり拘束する」役割を自動車のシートベルトに委ねているので、ハーネスで拘束する4歳頃まで使うチャイルドシートと比べて、製品による安全性の差が出にくいカテゴリーです。

 

さて、そんなジュニアシートの重要な役割は

【シートベルトを身体の正しい位置に合わせる事】です。

 

シートベルトの正しい着用方法は、老若男女問わず、

・鎖骨の真ん中
・胸骨
・肋骨
・骨盤(大腿骨の付け根)

 

丈夫な骨の上にシートベルトを通します。

ジュニアシートはヘッドレストに装備されたベルトガイドで、

肩ベルトを子供の肩の高さに合わせ、

 

ジュニアシートのヘッドレストに装備されたベルトガイド

 

腰ベルトがお腹の上に掛からないように下側に抑えます。

 

腰ベルトがお腹の上に掛からないよう下側に抑える

 

そして深い背もたれの形状で、直接的な外傷を負いやすい側面衝突から上半身を保護します。

 

深い背もたれの形状で、直接的な外傷を負いやすい側面衝突から上半身を保護

 

 

そんな役割のジュニアシート選び、乳幼児のチャイルドシートよりも簡単そうに思われるかもしれませんが、実は奥が深いです。

本気で書いたらものすごく時間がかかってしまいました。

 

機種別解説

 

冒頭の画像でR129を取得した11機種を挙げていますが、現物を確認できなかった機種もあるため、本稿では、下記7機種について、価格順で深堀していきます。

 

・ブリタックスレーマー  KIDFIX i-SIZE(キッドフィックスアイサイズ)
・マキシコシ KORE PRO i-SIZE(コアプロアイサイズ)
・サイベックス SOLUTION T i-FIX( ソリューションティーアイフィックス)
・マキシコシ RODIFIX PRO i-SIZE(ロディフィックスプロアイサイズ)
・マキシコシ MORION i-SIZE(モリオンアイサイズ)
・サイベックス SOLUTION G i-FIX( ソリューションジーアイフィックス)
・アップリカ RIDE CREW(ライドクルー)

 

※ちなみに座面だけのジュニアシートもありますが、肩ベルト位置の補正と側面衝突から上半身を守る機能が無く、身長125㎝以上でなければ、R129の認可を受けられないため、今回のブログでは座面だけのジュニアシートは取り上げません。

 

 

ブリタックスレーマー  KIDFIX i-SIZE(キッドフィックスアイサイズ)

 

唯一無二!シートベルトを正しい位置でしっかり保持する、最強ジュニアシート

ブリタックスレーマー  KIDFIX i-SIZE(キッドフィックスアイサイズ)

 

KIDFIX i-SIZE  KIDFIX i-SIZEテストシール

 

実勢価格:41,800円

製品幅:スリムサイズ(440㎜)※側面衝突機構除く

安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価

 

世界中の自動車メーカーに純正採用されるドイツが誇る信頼のブランドBRITAX 製品。

この製品の特長はなんといっても、
【正しい着座姿勢】と【正しい位置にシートベルト誘導する】ことがズバ抜けてます。

ジュニアシートは「シートベルトを身体の正しい位置に合わせる」ことが大きな役割と説明しましたが、そのためには子供が正しい姿勢を取っていることが重要です。

 

深く座る

 

しかし、4歳前後の子供は

 

お尻を迫り出して座る

 

お尻が前に迫り出すいわゆる「だらしのない姿勢」になりがち。
せっかくのジュニアシートも、お子様が正しい姿勢を維持できなければ、安全性に影響を及ぼします。

正しい姿勢で座っていれば、腰ベルトは骨盤の上を通りますが、

正しい姿勢で座っていれば、腰ベルトは骨盤の上を通ります

 

だらしのない姿勢になると、骨盤の上ではなく、柔らかいお腹のベルトが食い込みます。

 

だらしのない姿勢になると、骨盤の上ではなく、柔らかいお腹のベルトが食い込みます

 

この状態のまま、事故に遭うと内臓を損傷するリスクが高まりますし、
事故に遭わずともお腹にベルトが食い込んだまま走っていると、腹部が不快になり、車酔いのように嘔吐してしまう事もあります。

 

車酔い

 

これを抑えるのが、BRITAX独自のSECURE GUARDという股パッド。

 

BRITAX独自のSECURE GUARD

 

これ、めちゃくちゃ効きます。

姿勢崩れを抑えると同時に、腹部にシートベルトが掛からないようにする優れものです。
子供の身体に正しくシートベルトを掛けるうえで、これ以上の製品は無いでしょう。

また、正しい姿勢を保つためにはシート座面の形状が非常に重要です。

キッドフィックスアイサイズは、膝裏をしっかりと支えて自然な角度で降ろせる座面形状になっていて、これまた正しい姿勢を維持するために一役買っています。

 

キッドフィックスアイサイズは、膝裏をしっかりと支えて自然な角度で降ろせる座面形状

 

また、XP-PADと呼ばれるパッドも装備されています。

 

XP-PAD

 

これは衝突時に顎を受け止め、頭の移動量を抑え、首(頸椎)に掛かる力を抑えるという、シートベルトの持つ安全性をさらに高める、他のジュニアシートとにはない機能です。

そんなKIDFIX i-SIZEの派生モデルは、Volkswagen(フォルクスワーゲン)や

 

KIDFIX i-SIZEの派生モデルVolkswagen(フォルクスワーゲン)

 

Porsche(ポルシェ)の純正チャイルドシートなどにも採用されるなど、自動車メーカーの信頼性も抜群です。

 

KIDFIX i-SIZEの派生モデル、Porsche(ポルシェ)

 

中国で生産されているチャイルドシートが多い中、ドイツで生産されているという事も
あり非常に高額ですが、それだけの価値のあるシートと言えるでしょう。

 

総 評 KIDFIX i-SIZE

当研究所イチオシのジュニアシートです。
唯一無二の股ベルトガイド「SECURE GUARD」と座面形状が秀逸。

短所を強いて挙げれば、スカートをはいた女の子だと、少々捲り上げなきゃいけないところがSECURE GUARDの唯一の欠点です。

後部座席にジュニアシート+大人二人乗る場合でも、スペースが取れるスリムサイズ。
欠点が見当たらない、現時点では最高のジュニアシートと言えます。
お子様の乗り心地や安全性に妥協したくない方に超絶オススメです。

 

 

マキシコシ KORE PRO i-SIZE(コアプロアイサイズ)

 

細めのお子様に対するフィット感は抜群 ギミック搭載のジュニアシート
マキシコシ KORE PRO i-SIZE(コアプロアイサイズ)

 

KORE PRO i-SIZE(コアプロアイサイズ)  KORE PRO i-SIZE(コアプロアイサイズ)テストシール

 

実績価格:41,800円

製品幅:スリムサイズ(440㎜)

安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価

 

1968年にオランダで誕生した老舗のチャイルドシートブランドマキシコシ。
日本ではトラベルシステムで知られたブランドですが、ヨーロッパではトップシェアを誇ります。

そんなマキシコシのジュニアシートの最上位機種のKORE PRO i-SIZEですが、特徴は
フィット感重視の作りと盛り込まれたギミックです。

ヘッドレストの高さ調整に連動して幅も変わる構造になっている製品はいくつかありますが、フィット感重視の為、大き目のお子様には少々手狭に感じられるかもしれません。
また、ヘッドレストもやや低めなので、身長145㎝あたりでサイズアウトの可能性があります。

KORE PRO i-SIZEヘッドレストの高さ調整に連動して幅も変わる構造

その反面、細めのお子様やお子様が小さいうちのサイドのフィット感は抜群なので、お子様の体格に合わせて選ぶといいでしょう。

 

KORE PRO i-SIZEサイドのフィット感は抜群

 

また、チャイルドシートの安全性とは全く関係のないギミックですが、
バックルを照らすライトが装備されています。着座すると自動で点灯する仕様です。

 

KORE PRO i-SIZEバックルを照らすライト

 

薄暗い駐車場や、夕暮れ時にライトで照らして、バックルを挿しやすくするというものですが、環境によって意外と便利に感じられる方もいるかもしれません。
(個人的にはルームランプをLEDに変えればいい様な気もしますが…)

光る事で「僕が自分でやる」という好奇心を掻き立てるオマケの効果も期待できます。

そういうコンセプトだからなのか、座面側のベルトガイドが一般的なフック形状ではなく、シートに座る子供が自分でバックルを挿しやすい形状になっています。

 

KIDFIX i-SIZEシートに座る子供が自分でバックルを挿しやすい形状

 

↓一般的なフック形状の座面側のベルトガイド

 

一般的なフック形状の座面側のベルトガイド

 

 

総 評 KORE PRO i-SIZE

お子様が小さなうちや、細身のお子様へのフィット感は◎。
ギミック的好きなパパ・ママの琴線に触れるかもしれません。
シート幅もスリムサイズなので、後部座席に大人二人+ジュニアシートでも比較的スペースが取れる方です。

お子様がある程度大きくなった時に、自分でシートベルトを装着させたい方にオススメです。


 

 

サイベックス SOLUTION T i-FIX( ソリューションティーアイフィックス)

 

フィット感+独自のヘッドレスト 範囲の広いメッシュシートが特徴
サイベックス SOLUTION T i-FIX( ソリューションティーアイフィックス)

 

サイベックス SOLUTION T i-FIX( ソリューションティーアイフィックス)

 

実績価格:38,500円

製品幅:ミドルサイズ(505㎜)

安全性能評価:ADACチャイルドシートテスト:未実施

 

ベビーカーを中心に日本国内で大人気のサイベックス。
ブランドの誕生は2005年と比較的若い会社ですが、先進的なデザインや機能性が評価されているドイツのブランドです。

そんなサイベックスの最上位機種のSOLUTION T i-FIXですが、その特徴はフィット感とサイベックス独自のリクライニングヘッドレストです。

 

サイベックスSOLUTION T i-FIX一般的な体格向けのサイズ

 

マキシコシのKORE PRO i-SIZEによく似た構造ですが、小さ目・細めのお子様に寄せたKORE PRO i-SIZEに比べて、こちらの方が一般的な体格向けのサイズとなっています。

フィット感を重視する方で、細めのお子様であればKORE PRO i-SIZE、標準体型であれば、SOLUTION T i-FIXがオススメです。

 

サイベックスSOLUTION T i-FIX頭を上向きに向かせるリクライニングヘッドレストを装備

 

厚みと包まれ感のあるヘッドレストの形状に、更に頭を上向きに向かせるリクライニングヘッドレストを装備しています。

 

サイベックスSOLUTION T i-FIX頭を上向きに向かせるリクライニングヘッドレストを装備2

 

側面衝突事故に遭った際、頭が前側に垂れていると危険なので、顎先が上に向き、頭部がヘッドレストに収まるよう後頭部が当たる場所の角度が変えられる機能です。

取り付ける自動車の座席にリクライニング機能がある車や、元々背もたれが寝気味のシートであれば、そこまで大きな効果はありませんが、リクライニングの無い座席で背もたれが立気味の車の場合には大きな効果を発揮します。

シートは強制的に送風するようなファンが内蔵されている訳ではないので下記画像の様な風が流れるような過度な期待は禁物です。シートカバーの広範囲にメッシュ素材を使用しています。

 

サイベックスSOLUTION T i-FIXシートカバーの広範囲にメッシュ素材を使用

 

ただ個人的には、座面すべてをメッシュにしなきゃよかったのに…と思っています。

 

サイベックスSOLUTION T i-FIX座面もすべてメッシュ

 

この辺りはお好みになるのかなぁと思いますが、以前のブログ

「メッシュシートに思ふ( チャイルドシート の通気性)」

でも個人的に思うところを書いておりますので、よろしければご参照ください。

 

総 評 SOLUTION T i-FIX

標準体形で、お子様が大きくなるまでのサイドのフィット感は◎。

製品幅はミドルサイズなので、少し幅を取りますが、後部座席に3人乗ることが無ければ全く気にすることはありません。

シートにリクライニングが付いていない車で長時間ドライブが多い方には、オススメのジュニアシートです。

 

 

マキシコシ RODIFIX PRO i-SIZE(ロディフィックスプロアイサイズ)

 

長時間ドライブにオススメのリクライニングジュニアシート
マキシコシ RODIFIX PRO i-SIZE(ロディフィックスプロアイサイズ)

 

マキシコシ RODIFIX PRO i-SIZE(ロディフィックスプロアイサイズ)

 

実績価格:36,300円

製品幅:スリムサイズ(440㎜)

安全性能評価:ADACチャイルドシートテスト:未実施

 

マキシコシジュニアシートの最新モデルです。
その特徴は車両シートに依存しないリクライニングです。

通常のシート背もたれの角度調節に加えて

 

マキシコシRODIFIX PRO i-SIZE車両シートに依存しないリクライニング

 

座面が跳ね上げて3段階で角度を変えるので

 

マキシコシRODIFIX PRO i-SIZE車両シートに依存しないリクライニング2

 

ジュニアシートの中ではかなり寝かせられるシートになっています。

こちらも、シートの背中の部分をメッシュシートになっていますが、CYBEXのSOLUTION T i-FIX同様、強制的な冷却ファンが入っている訳でもなく、窓を全開にして走らない限り、車内を風が流れる事はありませんので、過度な期待は禁物。

 

マキシコシRODIFIX PRO i-SIZEシートの背中の部分をメッシュシート

 

Maxi-CosiのKORE PRO i-SIZEや、CYBEXのSOLUTION T i-FIXのように、ヘッドレストの高さに連動はしませんが、幅は2段階で調整可能です。

 

マキシコシRODIFIX PRO i-SIZE幅は2段階で調整可能

 

ここまではいい感じの製品ですが、少し残念なところが…それは「ヘッドレストの幅」。

エアプロテクトと言われるクッションが入っており、他の製品と比べてヘッドレストが柔らかくできていますが、その分もあってか、ヘッドレストの内寸が結構タイトに出来ています。

お子様の頭の大きさによっては窮屈さを感じます。特に女の子の場合だと、髪型(ふたつ縛り等)を選びます。

 

総 評 RODIFIX PRO i-SIZE

長距離ドライブが多く、眠ってしまった時に姿勢を優先されたい方にはオススメのジュニアシートですが、ヘッドレストの幅が狭めで、乗せるお子様の頭の大きさと相性がありますので、購入前に試乗することをおすすめします。

頭のサイズが問題ない、もしくは柔らかいヘッドレストが好みの方にはいいでしょう。

ヘッドレストの幅さえクリアーされていえば中々いい製品だと思うんですけど。。。。

 

 

マキシコシ MORION i-SIZE(モリオンアイサイズ)

 

ド標準なジュニアシート
マキシコシ MORION i-SIZE(モリオンアイサイズ)

 

マキシコシMORION i-SIZE(モリオン  マキシコシMORION i-SIZE(モリオンアイサイズ)テストシール

実績価格:28,600円

製品幅:ミドルサイズ(490㎜)

安全性能評価:ADACチャイルドシートテストにおいてGOOD評価

 

フィット感寄りの製品が多いマキシコシのジュニアシートにおいて、広めのシートサイズのMORION i-SIZE。

調整できるのはヘッドレスト&肩回りの高さ調整のみで、幅は変わりません。

 

マキシコシMORION i-SIZE(モリオンアイサイズ)ヘッドレスト&肩回りの高さ調整のみ

 

車のシートにリクライニングがあれば、若干の角度調整が出来ますが、お車のシート形状によっては、あまり角度を変えられない場合もあります。

 

マキシコシMORION i-SIZE(モリオンアイサイズ)車のシート形状によるリクライニング

 

 

総 評 MORION i-SIZE

特に目立った機能も無いですが、ISOFIX装備のジュニアシートであるべき基本を押さえた、ある意味無味無臭なスタンダードモデル。

ヨーロッパの厳しい消費者テストでも高評価を獲得しています。

製品幅はミドルサイズの中ではスリムな部類なので、後部座席に3人乗ることがあっても、何とか大人二人が隣に座れるサイズです。

あまりごちゃごちゃしたものが好きじゃない、シンプルなジュニアシートをお探しの方にはオススメです。

 

 

サイベックス SOLUTION G i-FIX( ソリューションジーアイフィックス)

 

サイベックスのスタンダードジュニアシート
サイベックス SOLUTION G i-FIX(ソリューションジーアイフィックス)

 

サイベックスSOLUTION G i-FIX( ソリューションジーアイフィックス)  サイベックスSOLUTION G i-FIXテストシール

 

実績価格:27,500円

製品幅:ラージサイズ(590㎜)

安全性能評価:ADACチャイルドシートテストにおいてGOOD評価

 

サイベックスのスタンダードグレードにあたるジュニアシート。

 

サイベックスSOLUTION G i-FIXリクライニングヘッドレスト

 

上位モデルのSOLUTION T i-FIX同様、リクライニングヘッドレストと合わせて、座面の角度調整が出来るようになっています。

 

サイベックスSOLUTION G i-FIX座面の角度調整

 

マキシコシのRODIFIX PRO i-SIZEほどのリクライニングではありませんが、
自動車のシートにリクライニング機能があれば、いい感じの角度に調整が出来ます。

ただ、なんといってもデカい!外側にしなるようにフレキシブルサイドウイング機能もあって、スリムサイズの製品に比べて15㎝も製品外寸が大きくなっています。

 

サイベックスSOLUTION G i-FIXスリムサイズ製品に比べ15㎝製品外寸が大きい

 

5人乗りの車で後列にチャイルドシートとジュニアシート、その間にママさんが座る場合には避けた方が良いでしょう。

 

総 評 SOLUTION G i-FIX

ISOFIX装備のジュニアシートとしては、製品の幅が大きなモデルなので、使用される方の家族構成や車種によってはネックになる場合があります。

座席スペースを気にされない方にとっては、価格の割に多くの機能が搭載されているのでお買い得なモデルです。

 

 

アップリカ RIDE CREW(ライドクルー)

 

雰囲気重視
アップリカ ライドクルーISOFIX

 

アップリカRIDE CREW(ライドクルー)

 

実績価格:27,500円

製品幅:ミドルサイズ(500㎜)

安全性能評価:ADACチャイルドシートテスト:未実施

 

日本のアップリカが2023年9月に発売したジュニアシートのライドクルーISOFIX。

ネットで見た時点で、「微妙だなぁ」と思っていましたが、現物を確認して予想通りの、効果は別として、日本人受けを狙った製品という印象です。

辛口になりますが、よろしければお付き合いください。

まず、座面の低反発クッション。

 

アップリカRIDE CREW座面の低反発クッション

 

「低反発でお尻を優しく包み込む座席=座り心地のいい座席」と一見思われがちですが、柔らかな座面は、長時間座ると実は疲れます。

理由は、柔らかな座面では姿勢を維持できず、無意識のうちにバランスを取るからです。
例えるならバランスボールの上に、ずっと座っている状態

 

バランスボールの上に、ずっと座っている状態

 

ましてや、揺れる車の中。そして筋力・体幹の弱い子供ではなおさら疲れやすく姿勢の維持が困難になります。ライドクルーの座面は明らかに柔らかすぎと言えます。

柔らかすぎる座面クッションは、衝突時の挙動も大きくなる方向に作用します。
つまり、ジュニアシート的には何もいいところがありません。

長時間座る新幹線や旅客機などのシートは、姿勢を維持しやすく疲れにくくなるよう、座面をあえて硬めになっています。
ヨーロッパメーカーのジュニアシートも同様の考え方で、座面のクッションは底づきしない程度の姿勢を保ちやすい硬さにしています。

 

そして、座面全体をメッシュシート。

くどいようですが、シート表皮がメッシュになった位じゃ、汗のかき方にほとんど変わりはありません。ジュニアシートは、チャイルドシートの中でも最も使用期間が長くなります。

子供の靴に使われるマジックテープとの相性も良くなく、ボロボロになりやすいですし、入り込んでしまったゴミが取りにくいデメリットもあるので、ほんと座面全面メッシュとか、個人的にはやめて欲しいと思っています。

 

話は変わりますが、このライドクルーISOFIX、今回ご紹介する製品の中で唯一、座面のみで使用できるようになっています。

 

アップリカRIDE CREW座面のみで使用できる

 

単純に「分解できるからメリットしかない」と思われるかもしれませんが、それと引き換えに犠牲になっている点があります。

それは座面の高さです。

 

アップリカRIDE CREW他製品と比べ座面が3~4㎝高い

 

他の製品と比べて座面が3~4㎝高くなっています。(実測14㎝)。

なぜかというと、最新基準のR129においては、座面だけで使用するジュニアシートには、
【座らせた子供の頭の位置を、770㎜以上の高さにしなければならない】という、旧基準にはなかった条件が定められているからです。

 

R129【座らせた子供の頭の位置を、770㎜以上の高さにしなければならない】

 

770㎜以上にする意味は、車側のサイドエアバッグなど側突対応の恩恵を受けられるようにするためです。

ただ、そもそも「外す必要ある?」というのが率直なところ。

外してしまうと側面衝突時にむき出しの上半身に直接的な外傷を負ってしまうリスクが高まりますし、眠ってしまった時のサポートを考えると、背もたれはあった方が良いです。

狭い5人乗りの車で、どうしても後部座席に3人常時乗車などの事情が無い限りは、「背もたれが外せる」ことがメリットになる事は、ほとんど無いと言っていいでしょう。

 

最後に取付性・装着性。

他のジュニアシートは問題が無かったので特に書く必要が無かったのですが、ライドクルーは別です。

ISOFIXで車のシートに取付けするところまでは、他の製品と比べてさほど大きな違いはありませんが問題はシートベルトタングのバックルへの差し込みです。

 

シートベルトタングのバックルへの差し込み

 

他の製品はジュニアシート本体と、車のバックルにシートベルトが挿しやすくなるようにISOFIXコネクター周辺をスリムに成型し、スペースが空くようになっています。

 

マキシコシRODIFIX PRO i-SIZEシートベルトを挿すためのスペース

※画像はマキシコシRODIFIX PRO i-SIZE

しかし、ライドクルーは本体部がかなり膨らんだ形状となっているため、シートベルトを挿すためのスペースがギリギリです。車種によっては、シートベルトタングを挿し込めない、もしくは挿し込めたとしても、相当やりにくくなることが考えられます。
ましてや、子供が自分で付け外しも難しいでしょう。

 

アップリカRIDE CREWシートベルトを挿すためのスペース

※こちらがアップリカ ライドクルーISOFIX

毎回の乗り降りのたびですから、これは大きな弱点と言えます。

アップリカの適合情報にも、この情報が。

 

アップリカRIDE CREW適合情報

出典:アップリカ

他の製品では、問題なく取付けできる車種(日産ノート(E12)除く)を、「ISOFIXで取付け出来ない車種」として掲載されています。(断言してもいいですが、このリストは今後、もっと増えるでしょう)

アップリカも、取付けに関しては他の製品と比べて、問題がある事は認識していると思いますが、その辺りの改良がされるのか、今後に注視したいと思います。

本稿ではあまり多くを語りませんが、有物の「型」にISOFIXを取り付けて、日本向け仕様に仕立て直しただけの印象です。(あくまでも個人的な感想です、ご了承ください)

※興味のある方は「色々あるけど、どんなメーカー?チャイルドシートメーカー解説」を最後までお読みいただければ、意味をご理解いただけるかと思います。

 

JOIE(意味深)

※参考画像
出典:JOIE(意味深)

 

総 評 RIDE CREW

他の製品と比べても、完成度は今一つ。

元々低価格で販売されているジュニアシートに、ISOFIXコネクターを付けてお化粧しなおした、ちょっと大味な印象です。

通気性が「よさそう」なメッシュシート・座り心地が「よさそう」な低反発クッションを採用する、ある意味日本メーカー独特の味付けです。

また、車種によってシートベルトが挿しにくいという、ジュニアシートとしては致命的な弱点があります。

同価格帯であれば、マキシコシのモリオンアイサイズ、もしくはサイベックスのSOLUTION G i-FIXを当サイトとしてはオススメします。

 

 

超重要 座面形状の話

 

4歳までのチャイルドシートよりもお手軽な感じがするジュニアシート。
実は座面の形状、特に座面の奥行きがとても重要です。

人形とシートに見立てたレゴを使って説明します。
※あくまでもイメージを伝える為ですので、ツッコミはご遠慮ください。。。

深く腰を掛けた状態で、座面が膝裏くらいまでの適切な奥行きであれば、子供は姿勢な姿勢で座れます。

 

深く腰を掛けた状態で、座面が膝裏くらいまでの適切な奥行き

 

座面の奥行きが膝裏よりも長い場合、子供は膝を曲げられず、足が上がってしまいます。

 

座面の奥行きが膝裏よりも長く子供は膝を曲げられず足が上がってしまう

 

ただでさえ、子供は姿勢を崩しがちですから、足が上がった状態を我慢できず、結果的に足を降ろそうとして、膝が曲げられる位置まで、お尻を前方に迫り出してしまいます。

 

膝が曲げられる位置まで、お尻を前方に迫り出す

 

いわゆる「だらしのない姿勢」です。

 

だらしのない姿勢になると、骨盤の上ではなく、柔らかいお腹のベルトが食い込みます

 

このような姿勢では、腰ベルトが腹部に掛かかり、事故の際に内臓を圧迫して、最悪内蔵損傷、もしくは内臓破裂につながってしまう恐れがあります。

正しい姿勢を保持するためには、ひざ下が自然に下がるような、適度な座面の長さと適度に太ももを少し持ち上げてくれる形状が理想的です。

 

【最後に】

自動車のシートベルトで子供を拘束するジュニアシート。
正しい姿勢、そして正しい位置にシートベルトを掛ける事が何よりも重要です。

心配な方は、可能であれば購入前に試乗してみる事をオススメします。

 

 

まとめ

 

最後にご紹介した製品を一言でまとめると

 

このような方におすすめ ジュニアシート
姿勢が崩れがちで、正しい姿勢、子供の身体の正しい位置にシートベルトが掛かるようにしたい安全性重視の方 KIDFIX i-SIZE
(当サイトイチオシ)
子供の身体全体のフィット感を重視、細めの体格の子供 KORE PRO i-SIZE
子供の身体全体のフィット感を重視、標準体型の子供 SOLUTION T i-FIX
遠出が多く、子供を乗せた時のリクライニングを重視する方 RODIFIX PRO i-SIZE
※ただし子供の頭のサイズと子供の好みに因る
シンプルで基本的なジュニアシートをお探しの方 MORION i-SIZE
価格を抑えながら、ある程度の機能を求められる方 SOLUTION G i-FIX
※ただし幅が広いのでサイズを気にされるかどうかに因る
アップリカブランドが好きな方 ライドクルーISOFIX

 

この様な感じになります。

皆様のジュニアシート選びの参考になれば幸いです。