【更新】2026年5月

日本ではあまり知られていない4歳までの後ろ向き使用。
まずは、「なんで後ろ向きが安全なの?」と疑問に持たれる方は、こちらの動画をまずはご覧ください。細かい説明なく、後ろ向きの安全性をご理解いただけるかと思います。
「後ろ向き vs 前向き チャイルドシート 」
死亡重症率が最も高い、前方衝突に対して後ろ向き乗車は、面で身体を支えて衝撃を分散します。前向きと後ろ向きでは首に掛かる衝撃が約6.8倍違うと言われています。
最新の安全基準で定められた月齢15ヵ月までの後ろ向き使用は、あくまでも最低の期間であって、ヨーロッパでは可能な限り後ろ向きで使用すべし!という流れで、多くのメーカーが4歳まで後ろ向きで使用できる製品を発売しています。
また、後ろ向きチャイルドシートの発祥国と知られるスウェーデンでは、プラステスト(Swedish Plus Test)と呼ばれるテストを行っています。

プラステストとは
このテストは、R129 よりも
- 厳しい速度(56km/h)
- より短い停止距離
などがありますが、最も異なるのは
【頸椎へのダメージを測定している唯一のチャイルドシートテスト】
という点です。

前向きのシートが合格することが極めて困難なテストといわれており、今まで前向きのシートが合格した例がありません。
そんなプラステストは、世界で最も厳しいチャイルドシートの衝突試験といわれており、そのテストに合格した製品が、今年に入ってから日本でも流通するようになりました。
(今回は 2 製品を紹介)
チャイルドシート総合研究所では、独断と偏見で製品のレビューを挙げていこうと思います。
評価のポイントは、
- 後ろ向き時の足元スペース
- 後ろ向き時のシート(背中)角度が起きているか(嫌がらずに乗るための角度)
- 安全性の評価(ADACで安全性能テスト*等の安全性能)
上記3点と当研究所の私見を元に総評を書いています。
※後ろ向き時の足元スペースのサイズを計測しています。
※後ろ向き時のシートの角度については、「チャイルドシートを嫌がる原因と解決方法」にて説明しています。
※ADAC(ドイツ自動車連盟)で実施される消費者テスト。
安全基準R129よりも、厳しい状況での衝突試験や、使い方や人間工学、汚染物質の含有量など、多岐にわたるテストを行い、5段階で評価しています。
前方衝突テストR129→50km/h ADAC→64km/h
側面衝突テストR129→24km/h ADAC→50km/h
※5段階評価(・非常に良い・良い・満足・十分・不十分)
※並びはこの記事を執筆時点の価格順です。
もくじ
価格帯:100,000円以上の製品
① AXKID ONE+3

実勢価格:154,000円
後ろ向き時の足元スペース:★★★★★★★
後ろ向き時のリクライニング角度:★★★★★
安全性能評価:
・ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
・スウェーデンプラステスト合格
ONE+3 は、対象年齢は新生児~7 歳頃(身長 40~125 ㎝)まで使える後ろ向き専用のチャイルドシート。
その魅力はなんといっても、最大 30 ㎝足元を拡張できる SpaceFlow と名付けられたスライド機構です。
これでしっかりと足元のスペースを確保できます。

ノブを回して無段階で調整できるリクライニングもしっかりと身体を起こして座る姿勢が取れるので、快適性の心配もありません。
残念ながら、回転機構は装備されていませんが、シートの前後スライドと、ある程度成長したら自らチャイルドシートの乗り込むための「EasyClimb」と呼ばれるグリップが装備されています。

回転機構が装備されていない分、本体重量が 10 ㎏とこのクラスのチャイルドシートとしては非常に軽量なので、カーシェアリングや着脱、付け替えの多い方でも使いやすいです。

自動車メーカーの BMW が実車を用いて行った衝突テストにおいても高評価を獲得。
頸椎へのダメージも計測するプラステストにも合格した、非常に安全性の高いシートです。
4 歳以降も後ろ向きで乗せたい、子供の安全性に妥協されたくない方におすすめのチャイルドシート。
長期間の後ろ向きチャイルドシートとしては、日本で唯一無二、最高峰のチャイルドシートです。

価格帯:90,000円台の製品
②MAXICOSI PEARL 360 PRO & FAMILYFIX 360 PRO

実勢価格:95,700 円 セパレートモデル
後ろ向き時の足元スペース:★★★
後ろ向き時のリクライニング角度:★★★
安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
R129 に対応した製品を世界で初めて製品化するなど、先進的な機能をいち早く開発するマキシコシの最新モデルの一つ。
シートとベース部分が別々のセパレートタイプなので、車 2 台の付け替えなども楽に行えます。(必ずベース部分も必要です)
特筆すべきポイントは、世界初のドア側へスライドする機能「SLIDE TECH」です。
18 ㎝もドア側へスライドするので、乗せ降ろしの際に腰をかがめずに乗せ降ろしが出来ます。

引用元: MAXI-COSI
こちらの製品は、新生児を乗せるための新生児用クッションが別売りになっているので、注意が必要です。
(エアバギーの直営店でのみ購入が可能です)
シート、ベース、新生児用クッションの3点セットで購入すると、中々のお値段になります。
肝心の後ろ向きの足元スペースですが、こちらの製品はやや狭めです。
乗せ降ろしのしやすさなどの使いやすさにも寄せた分、後ろ向きの長期間の快適性を少し犠牲にしている印象です。
欠点としては、セパレート式全般に言える事ですが、走行中にカチャカチャ音が出やすい事です。
回転式のチャイルドシートは元々回る箇所に遊びがありますが、セパレート式はシートとベース部の連結部にも遊びがあるので、どうしても走行中の揺れなどで音が出やすくなります。
EV車や音に対して神経質な方はセパレート式を避けた方がよいでしょう。
世界初のスライド機能が便利。
天井の低いセダン・ステーションワゴン、コンパクトカーなどでの乗せ降ろしのし易さは抜群です。
その反面、後ろ向きの足元スペースはやや狭めです。シートとベースが別々のセパレートモデルなので、車の付け替えや着脱の多い方におすすめです。
③BRITAX ROEMER DUALFIX PRO

実勢価格:93,500円
後ろ向き時の足元スペース:★★★★★
後ろ向き時のリクライニング角度:★★★★★
安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価 (前モデルのDUALFIX i-SIZEにて)
MercedesやAUDI、VOLVOやPorsche等多くの自動車メーカーにも支持されるドイツが誇るメジャーブランドの回転式チャイルドシート。高い品質も魅力です。
安全性能比較テストはまだ未実施ですが、高評価だった旧モデルDUALFIX i-SIZEの正常進化版ということを考えると悪い評価が出る可能性は極めて低いと予測しています。
分かり易く、一見派手な機能は無いですが、一つ一つの調整などのスムーズさは非常に優秀です。
VOLVOの後ろ向き専用の純正チャイルドシートと設計を一部共有しており、足元のスペースが最も広くできています。

出典:VOLVO CARS
後ろ向き時のシート角度もしっかりと座れる角度になる調整可能、調整範囲も広く快適性も高いです。後ろ向き使用時の快適性を重視する方にはオススメです。
乗せ降ろしでドア側に回した時に高さも非常に低く、お子様を拘束するハーネス長も十分、調整のスムーズさもきわめて良好です。シートサイズも余裕のあるサイズになっています。
品質・安全性・操作性・快適性どれをとっても欠点が見当たらない最強の製品です。
価格帯:80,000円台の製品
④CYBEX SIRONA T i-SIZE & BASE T

実勢価格:84,700円
後ろ向き時の足元スペース:★★★★★
後ろ向き時のリクライニング:★★★
安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
ベビーカーで人気上昇中のCYBEXの最新回転式チャイルドシート。
マキシコシのPEARL360同様、シート部とベース部が分離できるセパレート式です。
足元スペースはDUALFIX i-SIZEに次ぐ広さになっています。
後ろ向きのリクライニング角度は若干寝気味ですが、調整範囲が広いのは良いです。
ADACのテストでも高い安全性が評価されています。
乗せ降ろしでドア側に回した時に高さも非常に低く、回転操作も片手でできるので、全体的に完成度の高い一台です。
欠点としては、マキシコシのPEARL360PRO同様、走行中にカチャカチャ音が出やすい事です。
回転式のチャイルドシートは元々回る箇所に遊びがありますが、セパレート式はシートとベース部の連結部にも遊びがあるので、どうしても走行中の揺れなどで音が出やすくなります。
EV車や音に対して神経質な方はセパレート式を避けた方がよいでしょう。
ヨーロッパメーカーのチャイルドシートとしては珍しい、サンシェードが標準装備されています。
マキシコシのPEARL360に非常に似た完成度の高い製品です。
使いやすさと安全性も必須だけど、日よけも欲しいと思われる方にはオススメの製品です。
価格帯60,000円~79,999円の製品
⑤AXKID Spinkid2

実績価格:79,200円
後ろ向き時の足元スペース:★★★★★
後ろ向き時のシート角度:★★★★★
安全性能評価:スウェーデンプラステスト合格
現在日本で流通する回転式チャイルドシートで、唯一頸椎へのダメージを計測するプラステスト(Swedish Plus Test)に合格したシートです。

後ろ向き専用シートなので、足元のスペースは4歳までの製品では最も広くなっています。後ろ向きでもしっかりと角度をおこすことができます。
前向きに回転させることはできませんが、横向きでシートがロックする機構になっています。
これは、ドア側へ回転させた状態で成長した子供が自ら乗り込めるようにしたもので、シートのサイドにEasyClimb™ハンドルが装備されています。

前向きにならない分、横向きでしっかりとロックが掛かるなど、後向きに特化した使い易さがあります。
4歳までは前向きにすることを考えない方にオススメの製品です。

⑥MAXI-COSI MICA 360 PRO

実勢価格:79,200円 一体型モデル
後ろ向き時の足元スペース:★★★
後ろ向き時のリクライニング角度:★★★
安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
安全性能比較テストでGOOD評価を獲得
マキシコシの一体型チャイルドシート。
前述のドア側へスライドするPEARL360 PROの一体型モデルなので、足元のスペースは同様にやや狭めです。

引用元:MAXI-COSI
スライド量はPEARL 360 PROと同様の18㎝
ヨーロッパの安全性能比較テストでも高評価を獲得しており、天井の低いセダン・ステーションワゴン、コンパクトカーなどでの乗せ降ろしのし易さを重視される方には、オススメの製品です。
足元のスペースは狭めですが、天井の低いセダン・ステーションワゴン、コンパクトカーや、などでの乗せ降ろしのし易さは抜群です。
セパレート式ではない分、価格が抑えられており、車の付け替えが少なくつけっぱなしにするのであれば、PEARL360 PROではなく、こちらの製品で十分だと思います。
⑦CYBEX SIRONA Gi i-SIZE

実績価格:71,500円
後ろ向き時の足元スペース:★★
後ろ向き時の角度:★★
安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
CYBEXの一体型の回転式チャイルドシート。
同じメーカーのSIRONA T i-SIZEとは全く異なる構造の製品です。
作りとしてはシンプルですが、いたって使いやすいです。
後ろ向き時のシート角度はヨーロッパメーカーとしては、かなり寝ている部類に入ります。足元スペースも狭めになっています。
ドア側に向けた時のシートの高さは抑えられているので、シート位置の高いSUV車でも乗せ降ろしがし易いです。
ただ、シート背もたれとあたるベース部の高さが低いため、車のシート形状により、回転時に干渉する場合があります。
SIRONA Ti-SIZE同様、ヨーロッパメーカーのチャイルドシートとしては珍しい、サンシェードが標準装備されています。
後ろ向きの長期間使用よりも、新生児期の安心できる角度に振った製品です。
基本的なチャイルドシートとしての使いやすさは、シンプルで申し分ありません。
リクライニングの調整幅も十分で非常に良くできた製品です。
ただ、足元のサイズが狭く、後ろ向きのシート角度がちょっと寝すぎなので、身体を起こしたがるお子様だと、後ろ向きの長期間使用はちょっと厳しそうです。
⑧BRITAX ROEMER DUALFIX PLUS THERMO e

実勢価格:63,800円
後ろ向き時の足元スペース:★★★★
後ろ向き時のリクライニング角度:★★★★
安全性評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
BRITAX ROEMER の一体型の回転式チャイルドシート。
こちらは中国生産という事で、同ブランドの製品としては比較的価格が結構抑えられた、最近発売されたモデルです。
後ろ向きの足元スペースも広め、リクライニングの角度に関しては、なかなか良さげです。
上位機種のような、シートの素材感や質感の高さや、飛び道具的な派手さはありませんが、操作系はスムーズで、いたって使いやすいです。
回転レバーが本体正面なので、ヒンジドアの車だと少し回転操作はし難さを感じられるかもしれませんが、スライドドア車では全く問題ありません。
最新の安全性能評価においても高い評価を獲得した、コストパフォーマンスの高い一台です。
DUALFIX PROの弟分的な製品。中国生産モデルという事で価格が抑えられています。後ろ向き時の足元のスペースも広めで、角度もしっかりと起こせます。
派手な機能や特徴はありませんが、価格を抑えながらも可能な限り後ろ向きで使用されたい方にはオススメの一台です。
価格帯30,000円~59,999円の製品
⑨MAXI-COSI MICA PRO ECO i-SIZE

実勢価格:59,400円
後ろ向き時の足元スペース:★★★
後ろ向き時のシート角度:★★★
安全性能評価:ADACチャイルドシートテストでGOOD評価
マキシコシの一体型チャイルドシートです。
MICA 360 PROのスライドしないバージョンです。
足元のスペースはMICA 360 PROと同様で、少し狭めです。
片手操作が可能な回転レバー、肩ハーネスが跳ね上がるオープンハーネスなどもMICA 360 PROと同様のスペックになっています。
安全性能評価では高い評価を獲得しています。
痒い所に手が届く的な使いやすい機能は上位モデルのMICA 360 PROと同じ仕様です。
スライドしない分、価格が抑えられており、こちらの製品で十分だと思います。
⑩MAXI-COSI STONE

実勢価格:49,500円
後ろ向き時の足元スペース:★★★
後ろ向き時のリクライニング角度:★★★★
安全性評価:外部テスト未実施
MAXI-COSIの一体型の回転式チャイルドシート。
後ろ向き時のシート角度はかなり起きる部類ですが、足元は狭め。
大き目のお子様だと、3歳以降の足元は気持ち狭めです。
DUALFIX PLUSと同様、回転レバーが本体正面なので、ヒンジドアの車だと少し回転操作はし難さを感じられるかもしれませんが、その分ドア側に向けた時の座面の高さがかなり低めになっており、子供を持ち上げる高さを抑えられます。
肩ハーネスが跳ね上がるオープンハーネスなど、上位機種に採用されている機能が搭載されており、コストパフォーマンスの高い製品です。
これは輸入代理店の直営店限定モデルのようで、現物確認が出来る店が少ないのが残念です。
マキシコシの上位機種と同じオープンハーネスなど利便性の高い機能が搭載されています。
回転操作レバーの位置が、スライドドア車に最適な一台です。
⑪JOIE i-ARC360

実績価格:40,000円前後
後ろ向き時の足元スペース:★★★
後ろ向き時の角度:★★★
安全性評価:不明
インターネットを中心に、比較的お求めやすい価格に抑えた製品を数多く発売するJOIEブランドの回転式チャイルドシートです。
この製品も他ブランドの製品に比べて価格は抑えられていますが、その分作りは大味です。
車への取付けの際、サポートレッグが勝手に伸びたり、ISOFIXを接続した後の押し込みが他の製品よりも少々手間がかかります。また、ハーネスの調整もやや硬めです。
CYBEXのSIRONA Gi i-SIZEと同様、シート背もたれと当たるベース部の高さが低いため、車のシート形状により、回転時に干渉する場合があります。
背もたれ角度はやや寝気味、足元のスペースも狭めです。
使用頻度があまり高くなく、費用も抑えたい方にはオススメの一台です。
以上、4歳まで後ろ向きで使用できるチャイルドシート(詳細版)でした。
