当研究所がオススメするチャイルドシートの根拠

2024年 6月17日 | ブログ, 購入ご検討中の方向け情報

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

ご購入前のご相談を多くいただいておりますが、当方がオススメする製品と、一般的な販売店がオススメする製品が異なるのが不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、その理由をお伝えしておきます。

 

【当研究所がオススメするチャイルドシートの根拠】

 

当研究所が考える「良いチャイルドシート」の条件は

  • 製品の高い安全性
  • 初めての方で も、間違えずに使える事が考慮されているか
  • 子供が嫌がらずに適切な姿勢で乗れるシートの形状か

この3つが柱となる考え方で、どれが掛けても良いチャイルドシートとは言えません。

 

【安全性について】

 

「R129だから安全」と説明しているところもありますが、安全基準を取得するのは販売する為には必要な、極端に当たり前のことで、1つ前の安全基準(R44)よりも厳しくなっただけ。その製品の絶対的な安全性を確保するためです。

例えると、自動車を運転するには運転免許証の取得が必須ですが、運転免許を持っているからといって、誰もが同じ水準の運転技術を持っている訳ではない事と同じです。

あくまでも、安全基準は「最低限クリアしなければならない条件」です。

では、最低限のルールをクリアした製品の中で、安全性の優劣をどのように見分けるか。 そのために、行われているのが、安全性能比較テストです。
日本ではチャイルドシートアセスメント、ヨーロッパでは、日本でいうJAFの様な自動車クラブが消費者テストとして、R129よりも過酷な条件でテストし、製品ごとの優劣を公表しています。

当方が、製品をオススメする根拠としているのが、ヨーロッパで実施されている消費者テスト(分かりやすいよう便宜上、安全性能比較テストと書いています)です。
前面衝突テスト時、R129では時速50kmで行っているのに対し、安全性能比較テストは時速64kmで行われています。

 

また、側面衝突テスト時は、R129が時速25kmに対し、安全性能比較テストでは時速50kmと、倍の速度の衝突試験を行い、安全性がしっかりと担保されているか評価されています。

 

 

安全基準の時速50㎞のテストでは大丈夫だったものも、時速64㎞で壊れてしまうものもあります。

 

 

もし、時速60㎞で前方衝突があった際、チャイルドシートが壊れて、お子様が受傷してしまっても「安全基準が定める時速50㎞のテストでは合格しているので、製品には問題がありません」というのがチャイルドシートです。

チャイルドシートは魔法のイスではありません。

安全基準で想定された以上の衝撃を加えても、しっかりと子供を守ることを確認されたものを、当方は「安全性が高い製品」としておすすめしています。
ちなみに、日本のチャイルドシートアセスメントの評価については、あまり見ていません。

なぜなら前の衝突が時速55㎞とR129より5km/h速度が高いだけで、更に日本には試験機が無いため、チャイルドシートアセスメントでは側面衝突テストが行われていないなど、ヨーロッパとの試験のレベルが全く異なるからです。

 

【初めての方でも、間違えずに使える事が考慮されているか】

 

一台しか使った事のない方には、ご理解いただけないかもしれませんが、製品ごとに子供を拘束するハーネス(ベルト)の長さや調整範囲、締めこんだり緩めたりのスムーズさ、その他操作する必要のあるパーツの配置が異なっています。

 

 

特に、ハーネス(ベルト)とバックルの操作は、超重要です。
お子様の乗せ降ろしをする都度、親御さんが操作しなければいけないところです。

  • ベルトの長さが足りない
  • ベルトがきつくて中々締められない
  • ベルトが緩めにくい
  • うまく調整できず子供にフィットさせられない

なんてことは、お子様の安全な拘束に、間違いなく悪影響が出るので、このあたりも非常に重要な要素です。

 

 

ここに関しては、実際に100機種以上を触り比べてきた経験をもとに、容易に操作しやすい物かを判定しています。

あえて製品名は避けますが、

  • ベルトの調整できる長さがごく僅かで使いにくい
  • ベルトを緩めるレバーの位置がおかしい
  • 女性の力で締め込めなさそうなベルト

等、「正しく使えると本気で思ってんの?」とメーカーの設計担当者と発売をOKしたメーカーに直接問い詰めたい製品は結構あります。

ですので、購入前には出来るだけこのあたりの操作性を確認できた方がベターです。

 

【子供が嫌がらずに適切な姿勢で乗れるシートの形状か】

 

特に新生児から4歳頃まで使用するチャイルドシートで超重要なポイントです。
新生児から月齢3~4か月まで使う新生児用クッションというのがあります。
※製品によって使用期間は異なります。

↓こんな感じの物

 

子供が小さいうちは、この様なクッションをチャイルドシートに乗せて使用するのですが、購入前に可能であればご確認頂きたいのが、新生児用クッションを外した状態でのイスの形とリクライニングの角度です。

新生児用クッションを使用するのは前半3~4か月程度、外した状態で使用する方が圧倒的に長いのです。
日本メーカーは、乳児期(特に新生児期)の「楽そうに見える見せ方」に注力している傾向があります。
※楽そうに見えるだけで、実際は?な姿勢になる製品が売れていたりします。

日本メーカーの余りにも新生児期に寄せた形状・角度により、腰座り頃から身体を起こしたがる子供にとっては「寝すぎた角度」になっており、子供が嫌がる一因となっています。

重要なポイントは、腰座り以降にしっかりと座れる角度と形になっているかです。

 

子供を正しい姿勢で乗せるうえでも、お子様が快適な姿勢を保つ意味でも、「しっかりと起こせる角度」になるものをオススメしています。

※新生児期の角度や姿勢については、長くなるのでまたいずれ書きます。

 

【売上No.1の製品はオススメしないのか】

 

「売上No.1の製品はオススメしないの?」と DMでご質問いただく事もあるのですが、売れてる・売れていないは、製品の安全性を示すものでも、使いやすさを示すものでもないので、当方はなんの参考にもしていません。

「売上No.1」を掲げている製品は基本、販売店が売りたいものでもあります。

当方は、ブログで多少のアフィリエイトを貼ってはいるものの、当方が売りたいと思うものは基本的には無く、あくまでも、ご購入を検討されている方の車や予算にマッチした、知る限りのベスト・ベターを提案しているだけに過ぎません。

「もっと安全な選択肢があるのに」
「もっと車に合わせた選び方があるのに」

売上至上主義に走り、「安全を第一に考えたい」という消費者をないがしろにして、有益な情報を発信しないのは、あまりにも営利的過ぎて、悲しいなと感じております。

当方が定期的にポストしている

「安全性を考えるなら、可能な限りの後ろ向き乗車を」

は、日本のメーカーが大きく打ち出さない、より安全な選択肢のご提案です。

「せっかく買うならいい製品を」
「せっかく使うなら正しい使い方と正しい知識を」

一人でも多くの方の、より良い製品選び、正しい使用の役に立つ情報を発信していけたらと思っています。