【最終更新:2026年7月】
「安全なチャイルドシートを選びたいけれど、何を基準に選べばいいのか分からない。」
そのようなご相談を多くいただきます。
当研究所では、売れているか、知名度が高いかではなく、
「安全性」「正しく使いやすいこと」「子どもが快適な姿勢で座れること」の3つを重視して製品を評価しています。
その評価の根拠としているのは、ヨーロッパの第三者機関が実施する衝突試験などの客観的なデータと、100機種以上のチャイルドシートを比較・検証してきた経験です。
この記事では、当研究所がどのような考え方でチャイルドシートを評価し、おすすめしているのかを詳しくご紹介します。
ぜひ、安全なチャイルドシート選びの参考にしてください。
チャイルドシートは何を基準に選ぶ?
当研究所が重視する3つのポイント
当研究所では、次の3つを満たすチャイルドシートを「良いチャイルドシート」と考えています。
- 高い安全性
- 初めての方でも正しく使える操作性
- 子どもが正しい姿勢を保ちやすいシート形状
この3つは、どれか一つだけ優れていればよいというものではありません。すべてが揃って初めて、本当におすすめできるチャイルドシートだと考えています。
安全基準R129だけでは安全性は比較できない
「R129適合だから安全です。」という説明を見かけることがあります。
確かにR129は、従来の安全基準R44より厳しい基準ですが、販売するために必要な最低限の安全基準です。
つまり、R129に適合しているからといって、すべてのチャイルドシートが同じ安全性というわけではありません。
自動車で例えると、運転免許証を持っているからといって、誰もが同じ運転技術を持っているわけではないのと同じです。

では、最低限の安全基準を満たした製品の中で、安全性の違いはどのように判断すればよいのでしょうか。
その判断材料として行われているのが、第三者機関による安全性能比較テストです。
日本では「チャイルドシートアセスメント」、ヨーロッパではADACなどの自動車クラブが、R129よりも厳しい条件で衝突試験を実施し、製品ごとの安全性を比較・評価しています。
当研究所では、このような第三者機関による安全性能比較テストの結果を、安全性を評価する重要な根拠としています。
前面衝突テスト時、R129では時速50kmで行っているのに対し、安全性能比較テストは時速64kmで行われています。

また、側面衝突テスト時は、R129が時速25kmに対し、安全性能比較テストでは時速50kmと、倍の速度の衝突試験を行い、安全性がしっかりと担保されているか評価されています。

安全基準R129の時速50㎞のテストでは問題がなくても、安全性能比較テスト時速64㎞では破損してしまうものもあります。

もし、時速60㎞で前方衝突があった際、チャイルドシートが壊れて、お子様が受傷してしまっても
「安全基準が定める時速50㎞のテストでは合格しているので、製品には問題がありません」というのがチャイルドシートです。
チャイルドシートは魔法のイスではありません。
安全基準で想定された以上の衝撃を加えても、しっかりと子どもを守ることが確認されたものを、当方は「安全性が高い製品」としておすすめしています。
なお、当研究所では、日本のチャイルドシートアセスメントも参考にしていますが、安全性を評価する際は、ヨーロッパの安全性能比較テストをより重視しています。
その理由は、試験条件に大きな違いがあるためです。
例えば、前面衝突試験は、チャイルドシートアセスメントでは時速55km/h(R129より5km/h高い速度)ですが、ヨーロッパの安全性能比較テストでは時速64km/hで実施されています。
さらに、日本には側面衝突試験用の設備がないため、チャイルドシートアセスメントでは側面衝突時の安全性は評価されていません。
一方、ヨーロッパの安全性能比較テストでは、前面衝突だけでなく、より厳しい条件で側面衝突試験も実施されています。
このように試験内容や厳しさが異なることから、当研究所では、より厳しい条件で評価されているヨーロッパの安全性能比較テストを、安全性を判断する重要な根拠としています。
正しく使いやすいチャイルドシートを重視する理由
チャイルドシートを1台しか使ったことがない方には分かりにくいかもしれませんが、製品ごとに子どもを拘束するハーネス(ベルト)の長さや調整範囲、締めこんだり緩めたりのスムーズさ、その他操作する必要のあるパーツの配置が異なっています。

特に、ハーネス(ベルト)とバックルの操作は、超重要です。
お子様の乗せ降ろしをする都度、親御さんが操作しなければいけないところです。
- ベルトの長さが足りない
- ベルトがきつくて中々締められない
- ベルトが緩めにくい
- うまく調整できず子どもにフィットさせられない
このような製品では、お子様を正しく拘束することが難しくなり、本来の安全性能を十分に発揮できない可能性があります。

ここに関しては、実際に100機種以上のチャイルドシートを触り比べてきた経験をもとに、誰でも正しく操作しやすい製品かどうかを評価しています。
あえて製品名は挙げませんが、
- ベルトの調整できる長さがごく僅かで使いにくい製品
- ベルトを緩めるレバーの位置がおかしい製品
- 女性の力では十分に締め込むのが難しいと感じる製品
など、「本当に誰でも正しく使えるように設計されているのだろうか」と疑問を感じる製品も少なくありません。
チャイルドシートは、どれほど安全性能が高くても、正しく使えなければ本来の性能を十分に発揮できません。
そのため、ご購入前には安全性能だけでなく、ハーネスやバックルの操作性についても、できるだけ実際に確認されることをおすすめします。
子どもが正しい姿勢で座れるシート形状が重要な理由
特に新生児から4歳頃まで使用するチャイルドシートで、とても重要なポイントです。
新生児から月齢3~4か月まで使う新生児用クッションというのがあり、子どもが小さいうちはこの新生児クッションをチャイルドシートに乗せて使用します。
※製品によって使用期間は異なります。
↓こんな感じの物

ご購入前にぜひ確認していただきたいのが、新生児用クッションを外した状態でのシート形状とリクライニング角度です。
新生児用クッションを使用するのは前半3~4か月程度、外した状態で使用する方が圧倒的に長いのです。
日本メーカーは、乳児期(特に新生児期)の「楽そうに見える」見え方に注力している傾向があります。
※楽そうに見えるだけで、実際は「?」な姿勢になる製品が売れていたりします。
日本メーカーの余りにも新生児期に寄せた形状・角度により、腰座り頃から身体を起こしたがる子どもにとっては「寝すぎた角度」になっており、子どもが嫌がる一因となっています。
重要なポイントは、腰座り以降にしっかりと座れる角度と形になっているかです。

子どもを正しい姿勢で乗せるうえでも、お子様が快適な姿勢を保つ意味でも、「しっかりと起こせる角度」になるものをオススメしています。
売上No.1よりも、安全性を重視しています
「売上No.1の製品はおすすめしないのですか?」というご質問をいただくことがあります。
もちろん、売れている製品が悪いというわけではありません。
しかし、売れていることや知名度の高さは、安全性や使いやすさを示すものではありません。
そのため当研究所では、「売上No.1」という情報だけで製品を評価することはありません。
当方はブログで一部アフィリエイトを掲載していますが、「売りたい製品」をおすすめしているのではなく、お客様のお車やご予算、ご使用環境に合わせて、知る限り最適な製品をご提案しています。
「もっと安全な選択肢があるのに。」
「もっと車に合った選び方があるのに。」
そう感じる場面は少なくありません。
だからこそ当研究所では、売上や知名度ではなく、安全性や正しい使い方を第一に考えた情報発信を続けています。
当研究所が繰り返しお伝えしている「安全性を考えるなら、可能な限り長く後ろ向きで使用する」という考え方も、その一つです。
「せっかく買うなら、本当に安全な製品を。」
「せっかく使うなら、正しい知識と正しい使い方を。」
これからも、一人でも多くの方が安心してチャイルドシートを選べるよう、正確で役立つ情報を発信していきます。

