チャイルドシート の選び方

1.車への取付方法

車への取付方法は二通りあります。

  • 取り付けする人によって安全性に差が出る【シートベルト取付】
  • 誰が取付けても高い安全性が確保できる【ISOFIX取付】

シートベルト固定

シートベルト固定は、 チャイルドシート の上から体重を掛けながらシートベルトを締め付けなければいけないので【人の力によって固定感が変わります】

シートベルト取付

 

 

 

 

 

 

ISOFIX固定

ISOFIX固定は、車のシートに装備されているISOFIXアンカー(金属のバー)に チャイルドシート のコネクターを差し込むだけなので
【力を必要とせず、だれでも同じ固定感で取り付けできます】

ISOFIX取付

 

 

 

 

 

 

 

ISOFIXは2012年7月1日以降に製造された普通乗用車には装備が義務付けられています。

ISOFIX対応の車をお持ちの方にはISOFIX固定が断然おすすめです。

ただ、国産のミニバンの3列目にはほとんどISOFIXバーが装備されていないので取付された座席位置によっては注意が必要です。

2.パパ・ママが子供を正しく楽に乗せおろしできること

車への取り付けが正しくできても、パパ・ママが子供を正しく楽に乗せおろしできないと、もしもの事故からお子様を守ることができません。

回転式 チャイルドシート においては、回転のし易さは重要視しなくてもいいです。

むしろ、子供を座らせるイスの高さとハーネス調整のし易さの方が重要です。

まず、イスの高さです。

イスの高さが上がると、天井の低い車では子供が天井に近づき乗せおろしのためのスペースが狭くなります。
また車高の高いSUVやミニバンではそもそものシート位置も高くなるので、子供を持ち上げなければならない高さが上がります。

イスの低さにはメリットしかありません。乗せ降ろしのし易さでは高さは欠かせない要素です。

シートの低さ

次にハーネスの調整についてです。

ハーネスとは、 チャイルドシート に装備されているベルトの事です。

このハーネスはお子様を乗せたら締めて、降ろす時には緩めて、とお子様の乗せ降ろしの際には必ず操作する必要のある場所です。

ハーネスの伸ばし方
ハーネス締める

ハーネスの長さに余裕があり、緩めるレバー位置も触りやすい場所にあるものが理想です。

3.子供が嫌がらずに乗ってくれること

子供が嫌がらずに乗ってくれるために必要な要素は
シートの角度とイスの形です。

特に新生児から4歳頃まで使える チャイルドシート では、製品によって違いがおおきくなります。

新生児~4歳まで使うシートとしては

  • 新生児用クッションは尾てい骨から頭頂部まで一直線に乗せられる形状
  • 4歳がしっかり座れるサイズと背もたれと座面の角度が適度に開いたもの
新生児~4歳まで使うシートリクライニング①
新生児~4歳まで使うシートリクライニング②
新生児~4歳まで使うシートリクライニング③

そして、成長に合わせて
リクライニングの調節が出来るもの
この様になっている事が理想的です。

4. チャイルドシート の種類と
 乗り替えパターン

チャイルドシートは本来、 

チャイルドシートの種類

と3つの期間に分類されています。

そこから専用タイプ・兼用タイプが製品化され、それらを組み合わせて、 チャイルドシート が不要になるまで使う必要があります。

・専用タイプ

チャイルドシート専用タイプ

 

・兼用タイプ

チャイルドシート兼用タイプ

中には、新生児から12歳頃まで買い換え無しなんてものも存在しますが…

チャイルドシート全期兼用タイプ

全てにおいてどっちつかずなので、個人的には全くお勧めしません。
新生児を乗せると、隙間が空きますし、6歳の子供を乗せても「本当に最後まで使えるか?」と思えるようなサイズです。

一台で対応しようとするには、体格差があり過ぎるので、どうしても無理なつくりになっています。

ですので、下記のように必ず1回は買い換えるイメージでいた方が間違いないでしょう。

乗り換えパターン

5. チャイルドシート はいつまで使うべき?

日本では道路交通法という法律で 6歳未満の子供への チャイルドシート の使用が義務付けられています。


 が、

ハッキリいってしまえば、6歳以降も絶対に使った方がいいです!

というのが、6歳の身長ではシートベルトを正しい位置に掛けられないからです。

車種にもよりますが自動車のシートベルトは身長140㎝以上を想定して設計されています。

対して6歳児の平均身長は116㎝前後…

全然身長が足りていないんです!

身長が全く足りていない状態でシートベルトをかけると

首にベルトが当たり、お腹の上にベルトが掛かってしまいます。

この状態で万一交通事故に遭うと

シートベルトの肩ベルトで頸動脈を切ってしまって失血死してしまったり、腰ベルトがお腹に食い込んで内臓破裂を引き起こしてしまう可能性が非常に高くなってしまいます。

実際に、事故に遭い亡くなられている子供もいます。

今の日本の道路交通法はハッキリ言って矛盾しています。
道路交通法を守ってもお子様の安全は守れません!

ですので、なんの補助もなく、身体の正しい位置にシートベルトが掛けられるようになるまではお子様の安全のためにジュニアシートを使用してあげてくださいね。

ちなみにシートベルトは、鎖骨の中心・胸骨・左右の骨盤(大腿骨)と全て骨の上にベルトをかけるのが、正しい装着となりますので、参考にしてください。

シートベルトは、鎖骨の中心・胸骨・左右の骨盤(大腿骨)と全て骨の上にベルトをかけるのが、正しい装着となります

6.Eマークってなに?

今日現在、日本のチャイルドシートはヨーロッパの安全基準に合格していなければ販売してはいけない決まりになっています。

そのヨーロッパの安全基準合格の証として、下記のような「承認マーク」がチャイルドシートに貼付されています。

例)最新基準R129

例)最新基準R129

例)旧基準R44の場合

例)旧基準R44の場合

例)安全基準の本文に記載されている「このように書きなさい」の例

例)安全基準の本文に記載されている「このように書きなさい」の例

この様に、製品を見ればヨーロッパの安全基準を取得した製品なのかを確認することが出来ますので、興味のある方は、お店などで探してみてみてください。

余談ですが、この認証を受けたステッカーの事を「Eマーク」と呼ぶ記事などをちょくちょく見かけますが、いつから言われだしたのかは不明ですが、Eマークという呼び方は、基準上に存在しない呼び方です。
恐らく販売店の大多数は「Eマーク?」となってしまうと思います。

また、「オレンジ色の」とも書かれたりしていますが、最新の基準では色は指定されていないので、白色や黒色のものも存在しますので、ご注意ください。

7.ヨーロッパのメーカーの安全性のこだわり

現在は、側面衝突試験が追加されたR129が最新の安全基準になっています。

各メーカー「R129適合」を高々と謳っていますが、基準に合致するのは当たり前なので、これだけで、安全性の高さが証明されたわけではないんですね。

問題は、基準を取得した先です。

ヨーロッパでは、毎年2回安全性能を比較するための消費者テストが行われており、その衝突試験がすごく厳しいのです。

前方衝突試験においては、R129の認証試験時には時速50㎞での行われていますが、
消費者テストにおいては時速64㎞!と、14㎞/hも速い速度で行われています。

側面衝突試験においては、R129の認証試験時には時速25㎞で行われているものが、
消費者テストにおいては時速50㎞!と、倍の速度で衝突試験を行っています。

その他、使いやすさや乗り心地、ミスユースの少なさや、有害物質の含有量、シートのお手入れのしやすさなどを細かなテストを実施し、安全基準を取得した製品を

  • 非常に良い
  • 良い
  • 満足
  • 十分
  • 不十分

5段階で評価しています。

安全基準を大幅に超える安全性を目指しているのが、ヨーロッパメーカーの特徴ともいえます。

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